購入障壁の破り方について(その2)

前回、【ブログ始めます & 購入障壁の破り方について(その1)】からの続きです。

某大手商社の展示即売会のあるブースで、販売員さんが

「ああ、それ、みんな探してるね?」

と奨める白い粉状のサプリメントと客のお母さんと娘さん・・・ なんだか気になったので、近くで観察していると、しばらく販売員さんのセールストークが続いた後、親子はそのサプリメントをどっさりとお買い上げ。

販売員さんは、恐らくデパートやスーパーなどの店頭販売などでかなり場数を踏まれたベテランで、僕が瞬間「ウソつけ?」と感じた言葉で、実はすで勝負アリだったのです。

その言葉一つで、ただの塩かと見間違いそうな、ちょっと見た目の冴えない商品の購入障壁を破ったのです。

もちろん、そのサプリメントは本当に品薄で、品質も素晴らしいものなのかも知れませんし、親子にとっても今回の展示会でのお目当て品だった可能性だってまったく無いとはいえません。

また、その後も店員さんのセールストークだって、親子の購買心を刺激されたことと思います。

しかし、親子をぐっと引き寄せたのは、最初の言葉だったと思います。

 

もう一度振り返ります。

親子(店員さんに声をかけたのは母親の方)の第一声は、「おにいさん、これどうなの?」です。

 

恐らくは、そのサプリメントの主成分(ビタミンなんとか、とか、コエンザイムQ10だとか)が商品に書かれてて、それをきっかけに、この商品の効果・効能的なことを聞きたくての質問だと思います。

それに対し、店員さんの「ああ、それ、みんな探してるね?」は、的外れな返事です。

 

的外れな返事なんですが、

 

「どうして?」、「なぜ?」

 

さらには、僕のように

 

「ウソやろ??」「ホンマかぁ??」

 

と、その先を確かめたくなるものを含んだ言葉です。

 

まぁ、「ウソやろ??」「ホンマかぁ??」は、僕の意地悪な受け止め方ですが、相手に「どうして?」「なぜ?」と思わせる言葉を折り込むことで、話がさらに奥に進んだり、商品が魅力を持つこともあります。

 

サプリメントの成分でいうと、良いビタミンや悪いビタミンがあるわけでもなく、そのビタミンの効果・効能もメーカーによって大きく違わないでしょうから、そこを真正面からどんどんアピールしても、時にはお客さんは敬遠してしまいます。

実際には、薬事法の関係で効果・効能については面と向って触れにくい商品ではありますが、メーカーによって同じ栄養分でも、由来原料や配分量の違いなどで他社製品と差別化したりなど、商品に独自の付加価値を付ける余地はあります。

ただ、どんな商品であっても、ゴリ押しに商品特徴をアピールしても売りにつながらず、かえってやかましく感じられてしまうこともあります。それは客と売り手が面と向って対話するリアルでの商売に限らず、ネットショップでも見かけることがあります。

 

まったく商品PRが無く、商品の写真とスペック、そしてカートボタンだけがある販売サイトも考えものですが、ゴリ押しに商品PRが羅列し、長々と縦スクロールが続くサイトも必ずしも良いとは思いません。

商品にお客様を引き寄せるのはコピーや写真であったりと、なんでも構わないのですが、中には品物はいいんだけど、外観や商品の中身に大きな特徴を見出せず、パッとしない販売ページになっている商品もあると思います。(ネットショップの仕事に携わっておられる方は思い当たる商品が思い浮かぶのではないでしょうか)

 

でも、パッとしない販売ページも、切り口や入り方次第でお客様を引き寄せるやり方はあります。難しく考えてしまうのは、きっと自分の(もしくは自店舗の)パターンにはまらないからで、テストケース的に思い切って新たなパターンで展開してみるのも良いと思います。

 

商品の特徴を一つひとつ丁寧に語り、じわじわと購入意欲を高めていくのは正攻法のひとつですが、何が商品の購入障壁になっているのかを把握し(あるいは、仮説を立ててみて)、それを逆手にとって興味を引き寄せるパターンもアリなんだってことを鮮明に感じ取った展示即売会でのワンシーンでした。

 

プランナー:竹田

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